第70回 病院の食事

転院して初めのころは移動するのも大変だったのもあり、病室のベッドに座ったまま食べていました。その後、妖精ちゃんの飲み込み検査で誤嚥が発覚してからは、少しずつよく噛み、右を向いて飲み込み、どろどろのお茶を一口、それを繰り返しながら食べるので1時間くらいかけながら食べるので、しばらくはベッドから動かない究極の引きこもり生活でした。そんな状態なうえに、リハビリ以外では全く動かないもんですから食欲もわかず、顎も弱くなり、豚肉が出ただけで固くて食べられず残し気味になっていました。

転院から2か月ほどして少し歩けるようになってきたころ、「そろそろ食堂で食べて見ない?閉じこもってるのもよくないわよ?」と看護師さんに勧められて食堂まで車いすにのって行くことにしました。別に閉じこもっているつもりはなかったんですが、毎朝の清掃の人とか、検温の人が気を使って目隠しのカーテンを閉めていくんです。そうするとわざわざベッドから降りてカーテンを開けるのもめんどうなのでそのままにしていただけなんですが、引きこもり認定されてしまっていました(笑)

食事の時間は毎日決まっています。朝は8:00、昼は12:00、夜は18:00と。なので10分くらい前に行けば十分なのですが、職員さんは何故か早く来させようと急かしてきます。だいたい30分前には「そろそろ食堂に行ってください」と声掛けをしてきます。正直そんなに早く行ってもすることありません。テレビは見られますが食事が始まると消されるので中途半端になるくらいなら見ないほうがマシです。病室なら食事が運ばれてくるまでゴロゴロできるし、テレビを見ながら食事もできるのではっきりいって快適なんです。でも、忙しい中わざわざ食事を持ってきてもらう手間もかかりますし、がんばって食堂まで行っていました。

そうすると席は固定なので、だんだん隣の人とも顔なじみになってきて、会話をするようになってきました。おじいちゃんとおばあちゃんしかいませんでしたが。おじいちゃんは無口な人が多かったですが、やはり女性はおしゃべりですな。半分独り言のような感じで話しかけてきます。「膝が痛くてねぇ」「腕が痛くてねぇ」「固いものが食べられないのよ」「ごはんまだかしらねぇ」などなどたわいない会話です。自分も含め口まわりがマヒしてる方も多いので、お互い何を言ってるのかわからないままの会話が続きます。

おばあちゃん「膝が痛いのよぉ。」
自分「そうですか。自分はめまいがひどいのと手足の感覚がなくて。」
おばあちゃん「ほんとイヤになるわねぇ。やっぱり寒さのせいかしらねぇ。」
自分「そうですか。なにをしてもすぐに疲れちゃって寝てばかりですよ。」
おばあちゃん「若い頃はほんと元気で山登りしてたんだから。」
自分「そうですか。食欲もあんまりわかなくて。」
おばあちゃん「孫が来てくれたんだけど早く退院しなくちゃね。」
自分「そうですか。ごはんまだですかね。」

そうですか、と言っておけばだいたい会話は成立します。お互い一方通行で特に答えを欲してるわけでもないので、なんとなく自分の事をしゃべっていれば問題ありません(笑)


大学時代にちょっと年上のおしゃべりずきな女性がいました。よく寮の内線電話がかかってきていたのですが、長話な上にコード付きの壁掛け電話なのでそこから離れることもできませんでした。暇な時はいいんですが、やることがある時は困ります。そんな話を先輩にしたところ、「あぁあの人ね。話聞いてなくて大丈夫だよ。受話器置いといても一人で話してるから」と言われ、流石に失礼だろと思ったのですが、確かに「はいはい」「そうですか」「へぇ」の相槌だけで会話は成り立っていました。ある時、電話がかかってきて断る間もなく「ねぇ聞いてよ、ひどいんだよ~」と話が始まってしまったのです。その日は宿題があり、最初は相槌を打ちながら宿題をやっていたんですが、ふと思い立って「ふんふん」と言いながらそっと受話器を台の上に置き、宿題に集中したのです。20~30分経ってひと段落したところで、「さすがに怒ってるよな~、なんて言い訳しよ・・・」と思いながら切れているはずの受話器を持ち上げたところで聞こえてきたのです・・・
「・・・と思ったんだけど、そしたらさぁ~・・・」!?!?!?)
その後「はい」「そうですか」「へぇ」で何事もなく会話に復帰できました。

会話ってなんなんでしょうね?


食堂に急かす割には、配膳は遅れがちでした。お茶だけはマイカップ(強制購入させられる)に先に入れてくれるので、お茶をちびちびやりながらぼんやりと配膳を待ちます。順番に配膳してくれますが、病状によって食べられるものが違うので席順通りというわけではありません。病室で1人で食べていたときには気が付きませんでしたが、けっこうメニューが違っていました。もちろん1週間の献立表は貼りだされていたのですが、自分なんかは「麺類NG、汁物NG」に加え「全て小間切れ」の刑だったので元がなんだかわからない場合もありました。「ギョーザ」だと思ってたものが実は「シュウマイ」だったりとか、みんなが「ラーメン(ソフト麺)」食べているときに自分だけ「米飯」だったりとか。まわりが食べているものが見えるので、食事制限のある人は一緒に食べないほうがいいな、と思いました。嫌がらせか!

その後元気になるにつれて、食べるのもリハビリだと言われ量も増え、最後にはおかずもご飯も1.5倍になり、入院前60kg前後だった体重は退院時に67kgまで太ってしまっていました。退院の時に履けるズボンなくて困りました。今は64kg前後を推移していますが未だに妊婦体形です(笑)

病気になってわかったのは、「食べられることは幸せな事」「食欲があるのは元気な証拠」ということです。「死ぬ前に最後に食べたいものは何?」なんて言ってても死ぬのが分かったころには何も食べられないか、食欲すらなくなっているはずです。自分はこう思います。

「食べたいものは食べられるときに食べておけ!」

もちろん暴飲暴食はダメですが、好きなものを我慢しすぎてもロクな事ありません。病院の食事なんて味気ないし、出来立ての物が出てくるわけでもありません。死ぬ前に後悔しないためにもほどほどに好きなものは食べておきましょう~ね♪

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