第26回 自宅に外泊?住まいはどこ?

前回急きょ「転院」が決まったワタクシですが、転院の前に一度自宅外泊」しようと考えました。聞きなれない言葉かと思いますが、「一時帰宅」とも言います。入院中なので、外出するには医師の許可がいります。宿泊ならば「外泊」、つまり、「一時帰宅+外泊」なので「自宅外泊」というよくわからない表現になります。自宅なのに外泊扱い・・・ワタクシの家はいったいドコ?

余談ですが、「特別養護老人ホーム」通称「特養」と呼ばれるところは病院ではありません。そこで暮らすとなると「入居」、つまり引っ越してこないといけません。入院とは違います。当然住民票も移すわけで、「特養」の施設がある地域は高齢者率も上がります。市町村で高齢者率が突出してるところは、少子高齢化もあるとは思われますが、施設の存在も関係してくるので注意が必要です。そういった地域は高齢者の占める割合が40%を超えるところもありますが、行き交う人の半数が高齢者というわけではないのであしからず。

自分の場合は2週間の入院のつもりが1ヶ月を超えて、退院できるかと思えば更に転院となり、この先もどうなるかわからないもので、「帰るならここしかない」と思ったわけです。
位置的には、「現在の病院」-「転院先」-「自宅」だったので、どうせ病院移るならいったん帰って、そのまま転院先にいけばいいかと思ったのです。まあそれは叶いませんでしたが。
で、自宅に一泊してきたんですが、まー大変でした・・・。
まずは車椅子。無料で貸してもらえたんですが、諦めました。
なぜかというとうちは月極の青空駐車場。砂利な上にデコボコ。段差あって、坂道あって、自宅の2階へは階段のみ。カミさんの肩と杖を頼りに歩いたほうが簡単だということになりました。
足に力入らないので車に乗るのも一苦労。病室から車までは車いすで行けますが、這いずるように車内に乗り込み、自宅まで揺られること約30分。
普段自分で運転もしてましたし、乗り物にも強い方なので車の揺れなど気にしたこともありませんでした。
ところが、発病して救急車に乗って以来に乗る車は、右に左に曲がるたびにジェットコースターの大回転のように感じます。
細かい振動がガタ、ゴト、とくるたびにアゴにパンチ食らったみたいに効きます。
赤ちゃんが頭揺さぶられて死に至る、揺さぶられっ子症候群。このとき理解しました。「これは死ねる」と。
これどんな嫌がらせ?軽い拷問?車ってこんな激しく揺れるっけ??
外を見ると、景色が目まぐるしく動いています。
もう、目も頭もついていけません。目をつぶりました。予測できない振動にますますパンチドランカー。
原始人がタイムスリップして現代にやってきたらこんな気分なのかも。
「早く帰りたい、、、病院に。」正直そんな心境でした。
駐車場から部屋まではカミさんの肩を借りて歩きました。
・・・が、「さむい!とにかくさむい!」
ずーっと空調の整った病室で、薄手の病衣だけで過ごしていました。外の世界がこんなに寒いとは。「パンがなければケーキを食べればいいじゃない?お金ってなあに?どうして外ってさむいの?」いつの間にかすっかり浮世離れしてしまいました。
完全暖房の北海道民が寒がりになるのも無理はないですね。逆にタイ人は暑がりで冷房ガンガンかけまくります。
「あぁ、早くあったかい我が家へ(病室)帰りたい。」
なんとか家に辿り着いた後は、這いずりながら居間に行き、毛布にくるまりコタツに潜っていました。
家の中に段差が数段あり、居間からトイレに行くにはそこを通らなければなりません。なので這いずりながら段差をよじ登り行きました。「夜中トイレ行くときは起こしてね」と言っていたカミさんは疲れていて、案の定いくら呼んでも起きませんでした。
翌日、午前中すこしはゆっくりできるも、子ども達が学校・幼稚園から帰ってくるとその騒々しさにまためまいがします。
「ここは病院ですよ!お静かに!」・・・いや、家でした。
食事はあったかい物出してくれてとても美味しかったです。
でもあまり食べられませんでした。
子ども達がテレビゲームやろう、と言ってきました。
やりました。が、右手の感覚がないものでボタンがどこにあるのかわかりません。
手元を見ればわかりますが、画面を見てないと操作出来ません。画面を見てると、ボタンがどこにあるのかわかりません。
加えて、テレビ画面の動く画像に気持ち悪くなってしまい、早々に断念しました。
結局何をしに帰ったかわからないまま、疲れただけの外泊でした寒いし。
住めば都と申しますが、入院も不自由なことは多いながらも、慣れれば身体の不自由な人には天国ですよ。
正確には、天国の一歩手前の場所なんですけどね!
正に「天国に一番近い楽園」ですね。
最初に書きましたが転院先は自宅から近かったので、自宅外泊してそのまま転院先に行ければ一番ラクだったのですが、それはできませんでした。
外泊を挟んでしまうと、「一旦退院」そして「再入院」、みたいなかたちになってしまうので手続きが煩雑なうえに、転院ではなく新規扱いになってしまうので、受診の予約から始まり、診察を経て入院となるのです。
転院の時は、病院を出たらそのまま真っ直ぐ転院先へ行く必要があります。
なので、自宅外泊をして、一晩過ごすため一旦元の病院に戻ったのです。
ここで悩みが一つ。
転院が決まったのが急なもんで、外泊するとリハビリの時間がとれなくなってしまうのです。
そう、北川景子先生(仮)ともお別れです。
「また来週ね~」
と言われてまさかそれっきりになるとは思いもしませんでした。
あぁー最後まで、「病室行ったらもぬけの殻」て景子先生らしい落ちでお別れなのね、と。
かと言って、帰宅を楽しみにしている家族を無下にはできません。
そりゃ家族を選ぶに決まっとるじゃないですか!
寂しいけれど仕方ありません。お礼も言えないままになっちゃいますが、背中で語る男の美学。
こんな事は病院では日常茶飯事だろうと諦めました。
・・・しかし、奇跡は起きるんです。

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