第36回 おしっこが出なくなったら試してね♪

やったー! シリーズ~脳出血~
やったー!
前回はおしっこ出なくなった(「おしっこで亡くなった」と変換された。縁起でもない!)はなしをしましたが、こっからが大変でした。もう尿管カテーテルはこりごり、もう二度としたくないと感じたので、なんとか自力で出せないかと何度もトイレに行きました。
(便秘はよく聞くけど、尿秘っていうのかな?聞いたことないよね・・・)
トイレまでは車椅子でいきます。
このころ右半身が思うように使えなかったので、左手でタイヤをまわすのですが、片手で操作しようとするとグルグルまわるだけで一向に前には進みません。そこで、左足先で地面をけりつつ、左手でタイヤをまわします。すると前に進みます。なれないと結構難儀です。
もちろん看護師さんに言えば連れて行ってくれますが、バタバタしてる看護師さんに声かけづらく、寝たきりで大変な方も多いので、できるだけ自力で行ってました。
ただ、夜間だけは必ずナースコールしろと言われてました
勝手に動いて怪我する方が多いのです。夜間は特に人手も少なく、お医者さんも当直の先生しかいないので何かあったら大変なんです
実際、知り合いのおじいちゃんが夜間うっかり病院のベッドから落ちて、頭を5針縫いました。みなさんもくれぐれもお気をつけて!
仕事とは言いながらも、なかなか知らない人に「トイレ連れてって」とは頼みづらいものです。
中には慣れすぎて、たいした用もないのにナースコールすぐ押したり、大声で呼んだりする人もいますが、あれも寂しさなのか、やり場のない怒りなのか、ただの、悪ふざけなのか、問題は必ずいます。たとえおじいちゃんおばあちゃんでも。
痴呆が進むと怒りやすくなるなんて話もありますし、そうでなくてもみんな病人ですからま、しょうがないんですけど。
自分は奥ゆかしい人物というか、小心者なので極力自分でトイレまで行ってました。ナースセンターから遠くの病室だったという事もあるのですが。
当然、ベッドから車いすへの移動も自力です。
ここでひとつ忠告が。みなさんベッドから車椅子に乗るときは本当に気をつけてくださいね。
ベッドから降りたら、車いすの位置を確認して、身体をクルッと半回転させて車椅子に腰を下ろすんですが、ここで注意‼️

あなたの車椅子のタイヤロック、ちゃんとかかってますか?

両輪にひとつづつレバーのロックが付いてるんですが、両方ちゃんと掛かってないと、座ろうとした瞬間、
ゴロゴロゴローッと後ろに突撃することになります!
ここで、標語を一句。
「乗るまえにロック!」「ロックやりますか、それともトイレをやめますか」
・・・とまあ、それぐらい車椅子は注意が必要ということです。
五体満足だった自分がまさか、こんなに車椅子に詳しくなるとは思いもよりませんでした。
「人生一寸先は一寸法師。何に出会うかわからない。」
なんか違う?
で、車椅子に乗った後、ロックを外し進むわけですが、車椅子と言えば手で進むもんだと思うでしょう?
もちろん両足が不自由な場合はその通りなんですが、両腕が元気とは限りませんよね?足が使えるようなら自由になる足で地面をチョンチョンと地面を蹴って進むこともできるんです。
手すりがあるときは、手すりを引っ張るようにして進むこともできます。最初に書きましたが、自分は片手片足で主に進んでました。右手も少しは使えましたが、感覚がマヒしていて、ぶつけてもタイヤに巻き込まれても気が付かないので、「使うな」と、言われてました(笑)
そして、トイレに着きます。
個室に入って、忘れずタイヤロック!
立ち上がってクルッと回って便座に着座!
トイレの便器は逃げません(笑)
・・・しかしいくら頑張っても何にもでませんでした。
というか、どこにどう力を入れるのか、どう頑張れば出るのか、さっぱりわかりません。
不思議なもんです。
つい前日まで、40年以上に渡って普通に出してたものが、出せないんです。
身体の記憶喪失とでも言いましょうか、今までどうやってたんでしょうか??
ハテナばかりが浮かびます。
今日出せなければ、また地獄のカテーテル挿入タイムがやってきます!
そう思い、何度もトイレに向かうもサッパリでません。はやくサッパリしたいのに!
ベッドに戻り考えに考えました。
(・・・まずは基本に戻ろう。)
(尿道が開いていれば自然に尿はでるはず。)
看護師さんは下腹部、おそらく膀胱のある辺りを押してました。

リラックスして、下腹部に力を入れれば出るはず

と、いう考えに至りました。
では、リラックスした体勢とはどんなものでしょう?
脚が悪いので、今まで便座に座るのが当たり前になってましたが、座ってると体が曲がった状態になります。
それより、立ってやった方が体も真っ直ぐで、重量に逆らわず、スッと出せそう!と思いつきました。
では、実際にやってみましょう!
まず、トイレに行って小便器の前に車椅子を止め、手すりを掴んで立ちます
この時タイヤロックを忘れずに!
次に、ズボンのゴムでお腹が締め付けられないように、思い切って膝くらいまで下げます。
それから、リラックスしてください。
できるだけ全身の力を抜き、だる〜んとしましょう
アヘ顔で、ヨダレが垂れるくらい脱力できれば準備はオーケー。
下腹部にグッと力を入れてみましょう。
・・・タラタラッとおしっこが出ました。
フッフッとお腹に何度も力を加えて、膀胱が空になるまで出し切りましょう。
手で下腹部を押すのも効果的です。
この方法で、尿道の貞操をなんとか守りきりました。(2度目以降は)
おしっこ周りの感覚が回復するまで1ヶ月くらいかかりした。その間ずっとこの方法でアホ顔脱力しながらトイレに立ってました。
この時期が一番キツかったですね。
オシッコが出ない・・・たったこれだけの事でスティーブン=キングのホラー映画のような体験でした。
(実際彼は「簡易トイレに閉じ込められた男」の話を書いていました笑)
呪いでオシッコ出なくなる話なんてどうでしょう?
(呪いで痩せていく「痩せ行く男」なんてのもありましたね)
・・・しかし更なる地獄がやってくるとは、この時はまだ知る由もなかったのであります。

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